元彼のことを忘れたいのに、忘れられなかった夜の相談

きっかけ・悩み

別れてから時間はたっているのに、夜になると元彼のことを思い出してしまう。
新しい恋に進みたい気持ちはあるのに、心のどこかにまだ未練が残っている。

忘れたいのに忘れられない。
復縁したいわけでもないのに、ふとした瞬間に名前が浮かぶ。
そんな自分が少し嫌になった。

わたし

どうしてこんなに引きずってしまうんだろう。
自分でも気持ちがわからなくなっていた。

帰りの車の中、信号待ちの赤い光に照らされながら、ため息ばかりついていた。

友達に「まだ元彼のこと考えてるの？」と言われるのが怖くて、誰にも言えなかった。
新しい恋をすれば忘れられる、そんな単純な話じゃない。

未練なのか、寂しさなのか、自分の気持ちが自分でわからない。

家に帰る前、車を停めたままスマホを開いた。
誰かに気持ちを整理してほしかった。

占い師さん

あなたが元彼を忘れられないのは、好きだからではありません。
あの恋に込めた“自分自身への気持ち”がまだ整理されていないだけです。

わたし

……整理されていない、ですか？

占い師さん

恋が終わったとき、人は相手よりも“当時の自分”に引きずられるんです。
優しくなれなかった自分、無理をした自分――
その気持ちが未練となって残ります。

その言葉を聞いたとき、胸の奥にすとんと落ちた。

わたしが引きずっていたのは、彼ではなく、あの頃の自分だったのかもしれない。

話しているうちに、元彼そのものへの想いよりも、
「きちんと終われなかった自分」への気持ちが残っていたことに気づいた。

わたし

わたし、彼を忘れられないんじゃなくて、
あのときの自分を許せていなかっただけなのかも。

そう思えたら、胸にあった重さが少しずつゆるんでいった。

通話を終えたあと、車の中の暗さがいつもより穏やかに感じられた。
元彼を無理に忘れようとしなくてもいい。
気持ちには順番がある。

まずは、あの頃の自分をそっと受け止めることから始めよう。
そう思える夜になった。

元彼を忘れられない夜は、誰にでもある。
でもその気持ちは、「終われなかった自分」へのサインでもある。
あの夜、話を聞いてもらったことで、ようやく一歩前に進めた気がした。