仕事はできているのに、なぜか心が動かない

仕事はちゃんとこなしているし、
職場の人ともそれなりにうまくやれている。
だけど最近、仕事の帰り道にふと気づいた。

「楽しくない」という感覚が、
じわじわと胸に広がっていた。

わたし

嫌いな仕事じゃないのに。
なんでこんなに、毎日が淡々として見えるんだろう。

やる気がないわけでもない。
かといって、ワクワクするものもない。
まるで“モノクロの景色”の中にいるみたいで、
自分だけ色を失っている気がした。

このモヤモヤを抱えたまま眠れなくて

布団に入っても、胸の重さが消えなくて、
気づけばスマホを手に取っていた。

いつものように、占い師さんに電話をかけた。
声を聞いた瞬間、少し呼吸が深くなった。

占い師さん

ななえさん、“心が動かない”というのは
とても大事なサインなんですよ。
頑張りすぎて、心が追いついていない状態です。

わたし

たしかに……ずっと走ってきた気がします。
でも止まったらダメになる気がして、怖いんです。

占い師さん

大丈夫。
止まることは“終わり”ではなくて、“調整”です。
心の電池を充電する時間が、今のあなたには必要ですよ。

その言葉に、体の力が抜けていくようだった。
やっと誰かに“休んでいい”と許された気がした。

占い師さんと話しているうちに、
自分が思っていたよりずっと疲れていたことに気づいた。

わたし

楽しくないというより、
“感じる余裕”がなかっただけなのかもしれない…。

占い師さん

そうです。
心が鈍くなるのは、自分を責めてきた証拠。
優しさを向ける方向を、そろそろ変えていきましょうね。

その言葉が胸にすとんと落ちた。
誰かの期待に応えるために働いていたけれど、
本当はもっと“自分のため”に生きてよかったんだ。

電話を切ったあと、
久しぶりに深く息が吸えた気がした。

すぐに何かが変わるわけじゃない。
でも、わたしの中で“止まっていい”という許可が下りたことで、
世界が少しだけ明るく見えた。

わたし

明日もきっと淡々としてる。
でも、今日よりは少し優しい気持ちで過ごせる気がする。

楽しくない夜があっても大丈夫。
心の温度が下がっているだけで、
ちゃんとまた色は戻ってくる。
その日はきっと、静かに近づいている。