辞めたいのに、言えない。

これ、真面目な人ほどそうだと思う。
責任感があるから。
周りへの申し訳なさが先に立つから。
「わたしが抜けたら迷惑がかかる」と、自分を後回しにし続ける。

わたしもそうだった。
何度「辞めたい」と思っても、言葉にできなかった。
「もう少し頑張れば」「人手が足りないから」「あなたがいないと困る」。
そう言われるたびに、また引っ込めた。

でも今になって思う。
あの職場の上司も、べつに意地悪でやってたわけじゃなかったと思う。
わたし自身、今は人を管理する立場になってわかるけど、辞めたいと言われたらまず引き止めるのって、半ば決まりみたいなものだ。
本当に困るし、本当に続けてほしいと思ってもいる。

ただ、そのループにずっと付き合い続けるのは、こっちの体が持たなかった。

カンナ
カンナ
「辞めたい」って言えなくて、ずっと自分を責めてた。でも今思うと、言えない環境がそもそもしんどかったんだよね。

魔法みたいな一言があった

転機は、ちょっとした思いつきだった。

「留学しようと思ってる」

ただそれだけ。なのに、反応がまるで違った。

「辞めたい」と言うと引き止められる。
でも「留学する」と言うと、なぜか誰も強くは止めない。
「すごいね」「応援してるよ」ってなる。
同じ「会社を去る」という結果なのに、言葉ひとつで空気が変わった。

たぶんこういうことだと思う。
「辞めたい」は後ろ向きに聞こえる。「留学する」は前向きに聞こえる。
人って、理由の中身より、ポジティブかネガティブかで反応が変わる。
それだけのことだった。
ずっと苦しんでいたのに、言い方ひとつでこんなに変わるのか、と少し拍子抜けするくらいだった。

カンナ
カンナ
「留学する」って言った瞬間の上司の顔、今でも覚えてる。引き止めモードじゃなかった。あの一言で空気が変わったのが、不思議でしょうがなかった。

動機なんて、なんでもよかった

わたしが韓国留学を決めたのは、もともと韓国が好きだったから、というのもある。
旅行で何度も行っていたし、語学にも興味があった。

でも最初のきっかけは「これで辞められる」という気持ちの方が大きかった。

うしろめたいかな、と思った。
不純な動機だな、とも思った。

でも今になって思う。動機なんてなんでもよかった。

「留学する」と伝えた日、上司の顔が引き止めモードじゃなかった。
むしろ少し、寂しそうだった。
それまでずっと「困る」という顔をされてきたのに。

円満退職、という言葉がこんなにすんなり当てはまる日が来るとは思っていなかった。

留学、しなくてもいい

「留学する」と言って辞めたとして、本当に留学しなくてもいい。

実際、わたしの友人で「留学するつもりで辞めたけど、家庭の事情で行けなくなって数ヶ月ニートしてた」という子がいる。
でもその子、その後ちゃんと次の仕事に就いて、今は普通に生きている。
留学しなかったことで人生が終わったわけじゃなかった。

退職する理由は、最終的には自分のためのものだから。
留学を口実に辞めて、ゆっくり休んで、気持ちが落ち着いてから次を考える。
それで十分だとわたしは思う。

ただ、わたし自身は本当に行った。そしてそれが、予想以上によかった。

コシウォンという極狭の部屋で、お金もなくて、それでも毎日が充実していた。
あのときの感覚は、今でも自分の芯になっている気がする。

留学って、人生を変えるためだけにするものじゃないと思う。
今の場所から少し離れて、自分を取り戻すための時間。
そのくらいの感覚でいい。しおりを挟む、みたいな感じで。

カンナ
カンナ
わたしの友人みたいに、行けなくなっても別にいい。「留学する」って言葉は、自分を守るための言葉として使っていいと思ってる。

まず、妄想するだけでいい

「辞めようかな」「でも迷惑かけるし」「もう少し頑張ればなんとかなるかも」。

このループ、長くなればなるほど消耗する。
頭で考えている間に、体の方が先にガタくる。
わたしがそうだった。もっと早く動けばよかった、と今は思う。

動くといっても、大げさなことじゃなくていい。

留学中の人のYouTubeやSNSをぼーっと見てみるだけでもいい。
どんな街で、どんな部屋で、どんな毎日を過ごしてるのか。
それだけで少し、息ができる気がする。
現実逃避でいい。妄想でいい。

実際にどのくらいお金がかかるのか気になってきたら、留学エージェントに資料請求してみてもいい。
無料だし、申し込みじゃないから。

「選択肢がある」と知るだけで、不思議と今いる場所が少し楽になる。
逃げ道があると思うだけで、人間は意外と踏ん張れたりする。
わたしはそう思っている。