仕事を辞めて留学して、後悔しない?行く前に考えておきたいこと
退職届を出す前の晩、正直、何度も迷った。
本当にこれでいいのか。留学から帰ってきて、うまくいかなかったらどうするのか。今の安定を手放してまで、行く価値があるのか。頭の中を、同じ問いがぐるぐる回っていた。
不安がなかったわけじゃない。それでも、退職届は出した。
退職を決めた日、不安がなかったわけじゃない
「留学って、逃げでいいんだよ」と、今なら軽く言える。
でも当時のわたしは、そんなに軽い気持ちじゃなかった。周りにどう思われるか、収入がなくなること、帰ってきてから仕事が見つかるのか。考え出すと止まらなくて、退職届を出す直前まで、封筒を握りしめたまま動けなかった時間がある。
「後悔しないだろうか」という問いは、頭から一度も消えなかった。
「後悔しないか」より「なぜ行くか」を考えていた
ただ、あるとき気づいたことがある。
「後悔するかどうか」を考えても、答えは出ない。未来のことなんて、誰にもわからない。行ってみないと、後悔するかどうかなんてわかりようがない。
代わりに考えたのは、「なぜ行きたいのか」だった。
ストレス発散で通っていた韓国が好きだったこと。カナダでの失敗を、今度こそちゃんとやり直したいと思っていたこと。今の職場で消耗し続ける自分を、これ以上見ていたくなかったこと。
理由がはっきりしていれば、たとえ結果がどうなっても、「あのときはこう思っていたから」と自分に説明できる。後悔しないための保証はどこにもないけど、納得はできる。
逃げだという自覚はあった。それでも動いた
留学が「逃げ」だという自覚は、当時からあった。
逃げだとわかっていながら動いた。かっこいい決断だったとは思わない。でも、逃げることでしか守れないものもある。あのとき逃げていなかったら、今のわたしはいない。
留学しなかった友人も、後悔していない
留学を決意して辞めたものの、家庭の事情で結局行けなかった友人がいる。
数ヶ月、いわゆる無職の状態が続いた時期もあったらしい。それでもその子は、今ちゃんと次の仕事に就いて、普通に生きている。留学できなかったことを、今も引きずっているようには見えない。
留学した人だけが後悔しない、という単純な話じゃない。行っても行かなくても、その後の生き方次第で、後悔にも納得にもなる。
10年経って、後悔していないと言える理由
留学から帰って、もう10年以上が経つ。
今振り返っても、あの決断を後悔していない。理由ははっきりしている。行く前に「なぜ行くのか」を、自分なりに言葉にできていたからだと思う。
結果として得たものが大きかったから後悔していない、というよりも、あのときの自分が納得して選んだ道だったから、今も納得できている。そういう感覚に近い。
「後悔しないため」に必要なのは、覚悟より言語化
「後悔しないだろうか」と迷っているなら、覚悟を固めようとしなくていい。
覚悟なんて、そう簡単に固まるものじゃない。それより先にやることがある。「なぜ自分は行きたいのか」を、自分の言葉で説明できるようにしておくこと。
理由さえ自分の中で腑に落ちていれば、結果がどうであれ、あとから振り返ったときに「あのときはああ思っていたから」と言える。それだけで、後悔の重さはずいぶん変わる。
まだ、仕事を辞めると決めなくてもいい。
留学するかどうかも、決めなくていい。
まずは「どんな留学があるんだろう」と、選択肢を知るところから。
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