韓国にある、極狭の個室が並んだ物件「コシウォン」。
日本でいうと何に似ているだろう。天井が高い、立ち上がれるカプセルホテル?

そんなベッドと机だけでいっぱいになる部屋に、わたしは1年間住んでいた。

ベッドと机だけの部屋

初めて部屋に入ったとき、正直「せまっ」と声が出た。
ベッド、勉強机、トイレ、小さな棚。それだけで床がほぼ埋まる。キッチンは共用。
シャワーは個室内にあったけど、日本のユニットバスとは違って、日本のトイレの壁の上の方にシャワーヘッドがついている感じ(笑)
シャワー浴びたら便器はビショビショ(笑)

本当はワンルームに住みたかったけど、留学の予算をやりくりする上で、コシウォンは現実的な選択肢だった。

カンナ
カンナ
シャワーを浴びたらトイレが濡れるという状況は、最初「絶対無理!意味わからない!」と思っていたけど、住めば都。意外と問題なく住めた。

朝は韓国語、夜は英語

生活は単調と言えば単調だった。午前中は語学堂で韓国語、夕方以降は英語塾でTOEICの講座。
コシウォンの部屋は、寝るためだけの場所になっていた。

カナダ留学のときに「サボって伸ばせなかった」後悔があったから、今度こそはという気持ちが常にあった。狭い部屋に帰ってきて、その日勉強した単語を復習してから寝る。それの繰り返し。

カンナ
カンナ
あのコシウォンの部屋、誰も呼んだことがなかったから、私の記憶にしかない部屋だ。

狭い部屋ほど、世界が広がった

不思議なことに、あの1年でいちばん「広かった」のは、あの狭い部屋にいた時間だったと思う。

物理的な広さと、頭の中の広さって、まったく関係ないらしい。
毎日会う友達の国籍がバラバラで、それぞれの母国の話を聞くのが楽しかった。狭い部屋に戻っても、頭の中はその日聞いた話でいっぱいだった。

「もっと広い部屋に住みたい」とは、ほとんど思わなかった。

お金の不安より、大きかったもの

正直、お金の不安はずっとあった。貯金を切り崩しながらの生活だったし、コシウォンを選んだのもその不安ゆえだった。

でも今振り返ると、あの不安以上に「今この時間を使いきりたい」という気持ちの方が強かった。狭い部屋で我慢していた、という感覚は、意外なくらい残っていない。

カンナ
カンナ
狭い部屋、安い家賃、それでも人生でいちばん自由だった1年。組み合わせとしては最強でした。