海外に住むって、特別な人だけの話じゃない
「海外に住む」と聞くと、なんだか特別な人の話に聞こえる。
英語がペラペラで、行動力があって、周りの目なんて気にしない。そういう人だけが選べる生き方だと、ずっと思っていた。わたしみたいな、普通の会社員には縁がない話だと。
でも実際にやってみたら、そんなことはなかった。
「特別な人」のイメージを作っていたのは、たぶんSNSだった
留学やワーホリをしている人のSNSを見ると、キラキラした投稿が多い。海外の絶景、おしゃれなカフェ、楽しそうな笑顔。
それを見るたびに、「この人たちは、もともと特別なんだろうな」と思っていた。センスがあって、勇気があって、自分とは違う種類の人間だと。
でも当たり前だけど、そのSNSには載らない部分がある。語学が全然通じなくて泣いた夜とか、お金がなくてカップラーメンで済ませた日とか、ホームシックで布団から出られなかった時間とか。そういうのは、誰も投稿しない。
キラキラした部分だけを見て「特別な人」と決めつけていたのは、わたし自身の思い込みだったんだと思う。
わたしは、どこにでもいる会社員だった
留学する前のわたしは、これといって特技もなく、英語もカナダで伸ばせなかった過去がある。行動力があるタイプでもなくて、むしろ「辞めたい」を何年も言えずにいたくらい、動けない人間だった。
そんなわたしが、ある日突然変わったわけじゃない。
きっかけは、ただの韓国旅行の延長だった。K-POPが好きで、韓国ドラマが好きで、韓国料理が好きで、何度も通っているうちに「もう少し長くいられたらいいのに」と思うようになった。それだけだった。
特別な決意も、劇的な転機もなかった。好きなものが積み重なって、気づいたら住みたくなっていた、というだけの話だ。
手続きは、思っているより地味だった
「海外に住む」という響きは大きいけれど、実際にやったことは、かなり地味な作業の積み重ねだった。
ビザの書類を集める。住む場所を探す。語学堂に申し込む。お金の計算をする。どれも特別なスキルは必要なくて、ただ根気よく調べて、ひとつずつ片付けていくだけの作業だった。
韓国語は、オタ活でバラエティや韓国の歌を聞いて耳は慣れていたけど、あくまでカタコトのレベルだった。「話せるようになってから行く」んじゃなくて、「行きながら本格的に覚える」という順番でも、ちゃんとなんとかなった。
住んでみたら、生活はわりと普通だった
住み始めてからの毎日も、思っていたより普通だった。
朝起きて、語学堂に行って、勉強して、夜は自炊するかご飯を食べに行くか迷う。週末は近所を散歩したり、友達とカフェでだらだら話したり。特別な冒険が毎日あるわけじゃなくて、むしろ日本にいたときと同じような、地味な日常の連続だった。
違ったのは、その日常の中に、自分が選んだ小さな幸せがたくさんあったことだと思う。市場で買った果物がおいしかった日。韓国語が少し通じた瞬間。近所のおばちゃんに顔を覚えてもらえたこと。そういう小さな喜びを、自分のためだけに積み重ねていく感覚があった。
「特別な人」じゃなくても、選べる生き方だった
今振り返ると、海外に住むために必要だったのは、特別な才能でも、ずば抜けた行動力でもなかった。
必要だったのは、ただ「行ってみたい」という気持ちと、地味な手続きを面倒くさがらずに進める根気くらいだった。それだけなら、たぶん誰にでもある。
「自分には無理」と思っている人ほど、実は向いているんじゃないかとさえ思う。特別なキャラクターを演じる必要はなくて、今のままの自分で、ただ場所を変えてみるだけでいい。
普通のわたしが、普通に暮らしていた場所を変えただけ
海外に住むというのは、誰かになるための挑戦じゃなくて、今の自分のまま、暮らす場所を変えてみるということなんだと思う。
特別な人だけの話じゃない。普通の会社員だったわたしが、普通に暮らしていた場所を、少しだけ変えてみただけの話だ。
もし「自分には無理」と思っている人がいたら、伝えたい。無理じゃない。ただの引っ越しだと思えば、案外できることかもしれない。
行きたい国、留学する期間、費用、そして仕事のこと。
調べ始めると、決めることが意外とたくさんあります。
わたしも最初から全部決めていたわけではありません。
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